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W62×D58×H57
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小林硝子工芸所 小林 淑郎

切子とは、硝子の表面に金盤や砥石を用いてさまざまな模様をカットする技法。西洋からもたらされ、江戸の職人の手により独特の江戸切子となり現代に受け継がれている。江戸切子は、1834年(天保5年)江戸大伝馬町の びいどろ屋 加賀屋久兵衛が、金剛砂を用い、ガラスの表面に彫刻することを工夫したのが始まり。嘉永六年(1853)の黒船・ペリー来航の献上品の中に切子瓶があり、その技術にペリーが驚いたという逸話もある。第一次欧州大戦が勃発すると欧州からのガラス製品の輸入が止まり、この影響で国内での需要が増し、切子は高級品としてだけでなく、コップや食器などの市販品としても製作されるようになる。昭和になると、第二次世界大戦のあおりを受けて硝子工場の数が減少し、戦後は機械によるガラス製品の大量生産が進み、江戸切子の職人にとっては厳しい状況となる。現在は国の伝統工芸品に指定され、その伝統は今も引き継がれている。