鍛金

一望斎
長谷川 まみ

鍛金

愛知県生まれ、早稲田大学文学部卒業後、東京クラフトデザイン金工科修了。
名古屋市の茶道金工家、長谷川家の一望斎洸(※長谷川竹次郎)氏に嫁ぎ、伝統ある金工の仕事をうけつぎながらも、鍛金家として銀器を中心に作品作りに励む。銀器というとヨーロッパのものを連想される方が多いが、日本にも茶道や煎茶を中心とした金工の文化が継承されている。彼女が目指すのは、余計なものをきっぱりとそぎ落とした簡素な美。1984年の個展を皮切りに、毎年各地で個展を開催。2007年7月燕子花別館にて、「シャンデリア展」開催。※長谷川家は、代々尾張徳川家の御用鐔(つば;日本刀の一部)師の家系で、現在では茶道文化を支えている重要な職人である。

鍛金、一枚の金属の板を叩いて形作る「鍛金」。鍛金は鎚から「鎚起(ついき)」「鎚金(ついきん)」、また「打物」とも呼ばれる。その技法は、金属の伸び縮みする性質を利用し、鎚で打ち、延ばし、絞り、接合の工程を経て、研ぎ、渡金、色仕上げ等の仕上げの技術を併用する。

銀は抗菌作用があり、食器としては紀元前三千年ごろから始まり、日本では平安時代より使われていた。