箱根寄木細工

金指ウッドクラフト
金指 勝悦

箱根寄木細工

1940年 箱根畑宿生まれ
高校卒業後、木製キャビネット製造株式会社を経て独立。伝統の技に独自の手法と新しいデザインを取り入れた寄木細工を制作している。様々な木材の色目を生かしながら、計算された幾何学模様を作り、圧縮して接着させた板を作る。一般的な箱根寄木は、その板を特殊なカンナで薄く削った「ズク」を木の箱などの表面に張り加工していくが、金指氏は、独自の手法で「ムク」のまま作品を完成させる。

豊富な樹種を用いた自然の色合いや、木目を生かして幾何学文様を表現したのが箱根寄木細工。技法は江戸時代後期に箱根の畑宿から始まり、継承され、現在も小田原と箱根で生産されている。寄木細工は世界各地に存在するので、箱根地区で作った寄木を箱根寄木細工と呼ぶようになったという。当初は乱寄木や、単位文様による寄木細工が主流であったが、明治初年に静岡方面の寄木技法がもたらされ、これが今日の連続文様構成の寄木として確立された。その後多くの後継者によって改善、あるいは文様が展開され、今日に至る。

*寄木細工に使われる主な木材
白色系…あおはだ、もちのき、しなのき、せん、みずき
灰色系…ほうのき、さんしょうばら、あおはだのしみ
淡黄色系…にがき、まゆみ
黄色系…うるし、くわ、にがき、はぜのき、しなのき
赤色系…ハドゥク、レンガス
緑色系…ほおのき、はりえんじゅ
茶色系…あかぐす、いちい、えんじゅ、かつら、くるみ、くすのき、くわ、けんぽ、なし、けやき、さくら、しなのき、ちゃんちん、もっこく、たぶのき、ナトー
褐色系…かつら神代、けやき神代、ウォールナット、マンソニア
黒色系…かつら神代、くり神代、コクタン、マンソニア