かざりかんざし

かざり工芸三浦
三浦 孝之

錺簪

1967年生まれ。約100年前に墨田区東駒形にて創業。現在4代目。日本舞踊、演劇等で使用される錺簪を中心とした製作をする。

錺簪とは、金属や板や線を糸ノコで切り、ヤスリ掛け、彫り、打ち出し、ロウ付け(溶接)などの技巧をこらして作り上げる簪のことをさす。

この簪が華やかさを持ち始めたのは江戸後期のことで、細工のモチーフは、主に動植物が多く、他には江戸庶民の生活道具や、粋なもの、洒落たもの、縁起を担ぐものなどがある。小さな飾の中には物語があり、その時代ごとに女性を彩ってきた。

かつては女性の身を守る護身具として、男性からの贈り物として、親から子へ代々引き継ぐ宝物としてなど、使い道には様々な要素がある。